あとがき

　私の所属するコイノニア会はごく小さなミニ集会です。それでもここ１０年間ほど、毎年秋になると公開の講演会を行なってきました。普段の例会では、聖書の言葉や信仰の話を中心に語り合っているのですが、講演会では、一般の人たちにも関心のある社会的な問題をテーマとしてとりあげて、自分たちの信仰の立場から語ることにしてきました。そんな講演会も、いつの間にか今年で１０年目になり、この機会に今まで語ってきたものを編集して、１冊の本にまとめることにしました。編集による加筆や訂正もありますが、全体として講演で語られたままの内容を収録しました。個々の講演が語られた年を順番にあげると以下の通りです（連続２回の講演の年もあります。また２０００年の講演は後からの追加です）。

「自由と神」　１９９０年
「日常生活とみ霊」１９９０年
「一神教と日本の福音」１９９２年
「寛容な神」１９９２年
「ひとり立ちの宗教」１９９４年
「現代の歴史と神話」１９９５年
「日本とキリスト教との出合い」１９９７年
「聖書が今日本に語りかけること」１９９８年
「私人と個人」１９９９年
「宗教する人」２０００年

　講演のテーマは、必ずしも一貫した方針によって選んできたわけではありません。ただ、こうして演題とその内容を振り返って見ると、期せずして内容が二つにまとまりを見せているように思い、これに従って第一部と第二部とに分類しました。これらの講演は、長年にわたる私の信仰の友たちであるコイノニア会の方々に支えられなければ、またこの間、講演会にご参加くださった方々のご協力がなければ、決して生まれることがなかったものです。さらに、信仰の友である初宿正典氏には、原稿全体に目を通していただき、いろいろご意見や訂正を賜りました。これらすべての方々に改めてあつく御礼申し上げます。
　　　１９９９年　秋　　　　　著者