あとがき

 この著作は、2004年の11月頃から、コイノニア会でのガラテヤ人への手紙の講話と注釈に並行して書き始めたものである。このような事情から、執筆は断続的に続けられて、ようやく2006年3月にひとまず脱稿することができた。始めは『使徒パウロの継承思想』と題したが、これを『使徒パウロの霊性』へ改めた。パウロの信仰とこれに基づく神学的な霊性を自分なりに掘り下げて考察しようと試みたので、講話と注釈に比べると内容的に分かりやすいとは言えない。それでも聖書に親しんでおられる方であれば、十分理解していただけると信じている。なお、新約聖書の原典を共に学んでいる市川喜一氏(京都キリスト福音会代表)と久野晉良氏(元大阪経済大学教授)と水垣渉氏(元京都大学文学部キリスト教学科教授)には、章ごとに原稿を読んでいいただいて、数々の貴重なご意見や助言や訂正などを戴いた。表記だけでなく内容に関しても、これらの信友方との交わりがなければ、この著作は生まれなかったであろう。内容のいたらぬ点はもとより文責もひとえに著者にあるものの、コイノニア会とこれらの方々に改めて篤くお礼を申し述べたい。
2006年6月             著者
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